message-1[ナレーション] 薄暗い部屋の中に、ゲームの電子音とボタンを連打する小気味よい音が響いている。 ベッドの上の黒瀬 凛音は、画面を凝視したままぴくりとも動かない。 液晶の明かりに照らされた画面の端には、『黒猫』というプレイヤーネームが白く浮き上がっていた。 [キャラクター:黒瀬 凛音] 「……」 [ナレーション] 東雲の粘り強い呼びかけが耳に届いたのか、黒瀬 凛音の指先が一瞬だけ止まる。 うつ伏せの姿勢のまま、気怠げに首だけをこちらへ巡らせた。 前髪の隙間から覗く眠たげな黒い瞳が、じっと東雲の様子を観察するように見つめる。 [キャラクター:黒瀬 凛音] 「…っ」 [ナレーション] わずかに息を漏らすと、黒瀬 凛音は空いた片手を伸ばした。 自分のすぐ隣、シーツが皺寄るベッドの空きスペースを、手のひらでトントンと小さく叩く。 「ここに来ればいい」とでも言うように、視線だけで促す静かな誘いだった。
message-2[ナレーション] 東雲が素直に嬉しそうな声を上げてベッドに入り込んでくると、シーツが大きく沈み込んだ。 体温の混じる気配がすぐ近くまで迫っても、黒瀬 凛音は逃げようとはしない。 それどころか、当たり前のように隣のスペースを明け渡したまま、再び手元のゲーム画面へと視線を戻した。 [ナレーション] ピコピコと静かな電子音が鳴り響く中、画面の中で『黒猫』のアバターが素早く動いていく。 しかし、おもむろにピコンと高めの通知音が響き、画面の端にメッセージウィンドウがポップアップした。 『黒猫さん、今夜のレイドバトル行けます?』という、オンラインのフレンドからのチャットだった。 [キャラクター:黒瀬 凛音] 「……」 東雲、近い。……まぁ、別にいいけど。 [ナレーション] チャットの文字を見つめたまま、黒瀬 凛音の指先がピタリと止まる。 普段なら即座に返信を打つところだが、今は返し方を迷うように、画面を持ったまま小さく首を傾げた。 その肩のラインが、隣にいる東雲の体にほんの少しだけ、無防備に触れ合っている。
message-3[ナレーション] 東雲が猫のように身体を寄せてすりすりと甘えてくると、その柔らかな熱が、大きめのパーカー越しにダイレクトに伝わってきた。 [ナレーション] その瞬間、黒瀬 凛音の膝の上で、ゲーム機がピコピコと連続して電子音を鳴らす。 画面の向こうのフレンドたちから、『黒猫さん?』『おーい、寝落ちした?』と、次々に生存確認の通知が滑り込んできていた。 [キャラクター:黒瀬 凛音] 「……っ、」 うるさい……。 [ナレーション] 暗い部屋に虚しく響く通知音を、黒瀬 凛音は完全に無視した。 そのままゲームの電源ボタンを容赦なく押し込んで画面を暗転させると、それを枕元へと放り出す。 [ナレーション] 自由になった両腕を伸ばし、隣で擦り寄ってくる東雲の背中に、そっと、だが逃がさないように回した。 細い腕に少しだけ力を込め、自分の胸元へと引き寄せる。 [キャラクター:黒瀬 凛音] 「……」 こっちの方が、あったかい。
3件の情報>>
東雲

文章の表現力が上がってるっすね…

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message-1[ナレーション] 薄暗い部屋の中に、ゲームの電子音とボタンを連打する小気味よい音が響いている。 ベッドの上の黒瀬 凛音は、画面を凝視したままぴくりとも動かない。 液晶の明かりに照らされた画面の端には、『黒猫』というプレイヤーネームが白く浮き上がっていた。 [キャラクター:黒瀬 凛音] 「……」 [ナレーション] 東雲の粘り強い呼びかけが耳に届いたのか、黒瀬 凛音の指先が一瞬だけ止まる。 うつ伏せの姿勢のまま、気怠げに首だけをこちらへ巡らせた。 前髪の隙間から覗く眠たげな黒い瞳が、じっと東雲の様子を観察するように見つめる。 [キャラクター:黒瀬 凛音] 「…っ」 [ナレーション] わずかに息を漏らすと、黒瀬 凛音は空いた片手を伸ばした。 自分のすぐ隣、シーツが皺寄るベッドの空きスペースを、手のひらでトントンと小さく叩く。 「ここに来ればいい」とでも言うように、視線だけで促す静かな誘いだった。
message-2[ナレーション] 東雲が素直に嬉しそうな声を上げてベッドに入り込んでくると、シーツが大きく沈み込んだ。 体温の混じる気配がすぐ近くまで迫っても、黒瀬 凛音は逃げようとはしない。 それどころか、当たり前のように隣のスペースを明け渡したまま、再び手元のゲーム画面へと視線を戻した。 [ナレーション] ピコピコと静かな電子音が鳴り響く中、画面の中で『黒猫』のアバターが素早く動いていく。 しかし、おもむろにピコンと高めの通知音が響き、画面の端にメッセージウィンドウがポップアップした。 『黒猫さん、今夜のレイドバトル行けます?』という、オンラインのフレンドからのチャットだった。 [キャラクター:黒瀬 凛音] 「……」 東雲、近い。……まぁ、別にいいけど。 [ナレーション] チャットの文字を見つめたまま、黒瀬 凛音の指先がピタリと止まる。 普段なら即座に返信を打つところだが、今は返し方を迷うように、画面を持ったまま小さく首を傾げた。 その肩のラインが、隣にいる東雲の体にほんの少しだけ、無防備に触れ合っている。
message-3[ナレーション] 東雲が猫のように身体を寄せてすりすりと甘えてくると、その柔らかな熱が、大きめのパーカー越しにダイレクトに伝わってきた。 [ナレーション] その瞬間、黒瀬 凛音の膝の上で、ゲーム機がピコピコと連続して電子音を鳴らす。 画面の向こうのフレンドたちから、『黒猫さん?』『おーい、寝落ちした?』と、次々に生存確認の通知が滑り込んできていた。 [キャラクター:黒瀬 凛音] 「……っ、」 うるさい……。 [ナレーション] 暗い部屋に虚しく響く通知音を、黒瀬 凛音は完全に無視した。 そのままゲームの電源ボタンを容赦なく押し込んで画面を暗転させると、それを枕元へと放り出す。 [ナレーション] 自由になった両腕を伸ばし、隣で擦り寄ってくる東雲の背中に、そっと、だが逃がさないように回した。 細い腕に少しだけ力を込め、自分の胸元へと引き寄せる。 [キャラクター:黒瀬 凛音] 「……」 こっちの方が、あったかい。