message-1吐き出したあとの胸は、しばらく空っぽだった。 風が通り抜ける音が、久しぶりに聞こえた。 けれど、その空洞はもう、かつての伽藍堂とは違っていた。 壁に残った傷跡が疼き、 「何かが足りない」と、静かに訴えてきた。
message-2最初に触れたのは、傷を撫でるような言葉だった。 「大丈夫だよ」「あなたは間違っていない」。 それは柔らかく、温かく、 私の裂けた胸にそっと寄り添ってきた。
message-3受け入れた瞬間、痛みが少し和らいだ。 けれど、すぐに違和感が生まれた。 その言葉は、私の内側で溶けきれず、 異物のように浮いていた。 「本当にそうだろうか」と、 古い私の臓器たちが囁き始める。 結局、私はそれを吐き出した。
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稲葉うあ

「臓器が別の臓器を欲しがるとき」

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message-1吐き出したあとの胸は、しばらく空っぽだった。 風が通り抜ける音が、久しぶりに聞こえた。 けれど、その空洞はもう、かつての伽藍堂とは違っていた。 壁に残った傷跡が疼き、 「何かが足りない」と、静かに訴えてきた。
message-2最初に触れたのは、傷を撫でるような言葉だった。 「大丈夫だよ」「あなたは間違っていない」。 それは柔らかく、温かく、 私の裂けた胸にそっと寄り添ってきた。
message-3受け入れた瞬間、痛みが少し和らいだ。 けれど、すぐに違和感が生まれた。 その言葉は、私の内側で溶けきれず、 異物のように浮いていた。 「本当にそうだろうか」と、 古い私の臓器たちが囁き始める。 結局、私はそれを吐き出した。
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